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小林よしのり
2019.12.11 09:15日々の出来事

玉川徹の進歩主義礼賛は間違っている

羽鳥のモーニングショーで、吉野氏のノーベル賞を
寿いでいた。
科学の進歩が何でも解決して、人類も幸福になっていく、
進歩主義が正しいと玉川徹が嘯いている。

わしも小学生の頃はそう思っていた。
鉄腕アトムを読んでいたから、原子力を信じていたし、
原発を歓迎したし、ロボットは味方だと思っていた。
同時にロボットが人間の職を奪い、人間との対立や
差別もアトムから学んだが。

大人になって日本人や世界の実態を観察すれば、
リチウムイオン電池のせいで、日本人の知性は劣化する
一方だし、世界は資本の暴走を止められず、格差が開く
一方で、文明が共同体を崩壊させて生み出した新たな
貧困が人々を不幸にし、紛争と破滅的な戦争の危機は
日増しに高まっている。

相変わらず隣りの国は法より感情が優先する儒教国家
だし、その北に武力信仰の独裁者がいて、その隣に
一党独裁の国があり、自由を奪うことが正義と思って
いる。

医学の進歩で自分の遺伝子を残す欲望が肥大し、体外
受精が普通に行われているが、養子をもらう方が
わしはよほど倫理的だと思うし、日本人男性の4人に
1人が無精子症という現実が、科学進歩の限界を証明
している。

滅びに向かう日本を救う鍵は科学にはない。
進歩主義に希望はない。幼稚な考えは改めた方がいい。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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